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Psychiatric Lecture

(疫学)非定型精神病の疫学―周期性精神病に注目して―

兼本浩祐

精神科臨床 Legato Vol.2 No.3, 14-17, 2016

「1 非定型精神病とは」
―非定型精神病とはどのような臨床的特徴を有する疾患でしょうか。
「非定型精神病」とは満田久敏先生により1940年代に提唱された概念であり,大まかに言えば,急性精神病状態を呈し,短期間で寛解するものの周期性の経過をとり,予後が良好な一群を指します。表1 1)のような臨床的特徴が挙げられますが,1症例ですべての特徴を満たすことは基本的にはなく,どの側面が強調されるかによって臨床像は異なります。現在の精神障害の分類はKraepelinによって確立され,「統合失調症」と「双極性障害」が2大精神病とされました。しかし,実際の臨床現場ではこの2つにあてはまらない患者さんが少なからず存在します。そこでわが国では,統合失調症と双極性障害の中間型として「非定型精神病」という概念が提唱されたわけです。海外においても同様に,デンマークやノルウェーで汎用されてきたWimmerによる反応性精神病,ドイツではLeonhardの類循環精神病,フランスではMagnanの急性錯乱状態,米国ではKasaninの急性統合失調感情病など,非定型精神病と似た概念が指摘されてきました。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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