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State of the art 大腸腫瘍性病変の見逃し予防の工夫 大腸内視鏡検査ADR向上を求めて

潰瘍性大腸炎に関連した腫瘍のdetection rateをあげる遺伝子検査

問山裕二楠正人

大腸がんperspective Vol.4 No.3, 39-46, 2019

潰瘍性大腸炎,クローン病などの炎症性腸疾患は,内科的治療法の劇的な進歩により寛解導入が得られ,外科的治療の適応が減少している。一方,微小慢性炎症に曝露された長期罹患患者の発癌は今後も増加すると考えられている。現在行われている大腸内視鏡による癌化サーベイランスプログラムは,患者への侵襲的負担が大きく,医療費の高騰にも大きく関与している。潰瘍性大腸炎に合併した大腸癌を同定する有用なバイオマーカーを用いた遺伝子検査を開発することは,不必要なサーベイランス検査を省略することが可能となり,患者への負担だけでなく医療費の削減にも寄与することが期待される。本稿では,潰瘍性大腸炎における炎症性発癌のメカニズムの観点から,大腸癌を合併している潰瘍性大腸炎患者の絞り込み,ならびに癌化のリスク評価として有用なマーカーを詳説する。
「KEY WORDS」潰瘍性大腸炎(UC),癌化,サーベイランス,バイオマーカー

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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