<< 一覧に戻る

State of the art クローン病合併癌の診断と治療

小腸癌

内野基池内浩基

大腸がんperspective Vol.4 No.1, 33-38, 2018

クローン病(Crohn’s disease;CD)に合併する小腸癌は,頻度は少ないものの一般人口に比べると発症リスクは高く,若年に発症する。回腸に多く,バイパス部分や狭窄病変での発症がほとんどを占める。しかし術前に癌の診断が可能な症例は少なく,大部分が術中あるいは術後の診断となる。さらに組織学的には粘液癌,低分化腺癌,印環細胞癌といった悪性度の高いものが多い。こうした特徴によりリンパ節転移陽性症例やStageの進行した症例が多く,予後は非常に不良である。近年,内視鏡技術の進歩があるものの,多発狭窄病変を有する場合や狭窄を通過しない症例も少なくないため早期発見率の向上には至っていない。バイパス部を含むサーベイランスが不可能である病変は,できるだけ切除すべきである。
「KEY WORDS」クローン病,小腸癌

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る