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画像診断との対比で学ぶ大腸疾患アトラス

IBD(UC)と癌

永塚真川崎啓祐梁井俊一松本主之菅井有

大腸がんperspective Vol.4 No.1, 6-10, 2018

潰瘍性大腸炎関連腫瘍の診断は難しいので,『大腸腫瘍病理組織図譜』第10章「IBD cancer」を一読願いたい。潰瘍性大腸炎関連腫瘍では,癌を含む粘膜内腫瘍病変として,ほぼポリープといって良い隆起型のdysplasia-associated lesion or mass(DALM)と内視鏡的には診断できないflat dysplasiaがある。なお,DALMと用語の是非は本項で問わない。組織学的には,adenoma-like DALM(形は何であれ内視鏡診断が可能)とnon-adenoma-like(ポリープ,flatあるいはdepressed)に二別される。後者には,基底細胞型(basal cell type),粘膜内低分化型癌(in-situ anaplasia), 淡明細胞型(clear cell type),内分泌細胞を多く含む粘膜内病変(pancellular type)などの特殊な組織がみられる。本疾患は炎症異型か腫瘍性異型か,あるいは低異型か高異型か,また,粘膜内癌か浸潤癌かなど,病理診断上の問題を抱えている。Inflammatory bowel disease(IBD)associated with cancer/dysplasia(IBD cancer/dysplasia)は,病理診断上の問題点の一つである。Dysplasia(異形成:IBDに伴う非浸潤性腫瘍性病変)とcancerの特徴的な組織像については一般化しているとはいえない。そのなかで,adenomatous type neoplasiaの核異型は通常のadenoma(sporadic adenoma;SA)とよく似た形態を呈するので診断が容易である。一方,clear cell type neoplasiaは鋸歯状病変をイメージすれば良いが,鋸歯状病変の診断と同様,どこから腫瘍性病変とするか難しい。また,過形成性粘膜と診断される場合があり,既に深部浸潤を伴っていることがある。Dystrophic goblet cellsはclear cellあるいはadenomatousでみられる特殊な形態変化でp53の免疫染色がclear cell dysplasiaと同様,腫瘍/非腫瘍の鑑別に有効である。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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