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State of the art JSCCR/ESMO/NCCNガイドラインを比較する

3ガイドラインの比較検討―術後補助療法

関根克敏濱口哲弥

大腸がんperspective Vol.3 No.4, 48-53, 2017

結腸癌術後の補助療法について,日米欧の3ガイドラインの比較検討を行った。Stage Ⅲについては,欧米ではオキサリプラチン併用の補助療法を勧めているのに対し,日本では治療成績が欧米よりも良好であることから,オキサリプラチンの上乗せ効果が薄まる可能性を根拠に全例で併用することは勧めていない。Stage Ⅱについては,一律の補助療法は日米欧ともに勧めておらず,再発高リスク群について個別に検討するとしている。肝切除を行ったStage Ⅳについては,欧米が周術期の補助療法を勧めているのに対し,日本では生存期間延長のエビデンスがないことから適正に計画した臨床試験のもとで実施するとしている。70歳以上の高齢者の補助療法については,オキサリプラチンの併用療法による有益性は報告されておらず,日米欧ともにStage Ⅲでフッ化ピリミジン単剤による補助療法を勧めている。補助療法の適応については,期待される再発抑制効果と生存期間延長効果のみならず,副作用,医療コストについても個々の症例にあわせて検討をすることが必要である。
「KEY WORDS」術後補助療法/JSCCR/NCCN/ESMO/オキサリプラチン併用療法/再発高リスク群

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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