State of the art JSCCR/ESMO/NCCNガイドラインを比較する
特集にあたって
大腸がんperspective Vol.3 No.4, 17, 2017
大腸癌治療に関するガイドラインは,国内外に複数存在する。EBMに基づいて作成されるガイドラインは,批判的吟味による論文の客観的評価だけでなく,それぞれの適応される国内事情により異なる内容となっている。かつて,いわゆる未承認薬剤による格差(drug-lag)が問題となったが,現時点においてほとんど解消されている。また,新薬開発においても早期承認を目指し治験の短縮化が行われ,国際共同治験が実施されるようになってきている。このため抗がん剤の選択肢は国内外で大きく異なることはなくなり,一方で高齢化,医療費増加,至適投与量の違いや術後補助化学療法での治療成績格差など,それぞれの地域に特化した別の課題が浮き彫りになってきている。
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