「Answer」
カテーテル留置継続が必要な症例には,抗凝固療法を行うことで留置継続が可能です。留置が不要であれば,3~5日間の抗凝固療法の後に抜去し,抗凝固療法を3ヵ月間は行います。
「はじめに」大腸癌患者に対し,5-FU持続静注を含む化学療法(FOLFOX/FOLFIRI療法など)を実施する際など,中心静脈カテーテルポートは広く用いられています。しかし,担癌患者は血栓症を合併するリスクが高く,本症例のように中心静脈カテーテル留置中は上肢深部静脈に血栓を生じることがあり,肺血栓塞栓症などの重篤な合併症にもつながるため,適切な対応が求められます。なお,ここではカテーテル留置中に上肢深部静脈(上腕・腋窩・鎖骨下・腕頭・内頸静脈・上大静脈)に生じた血栓をカテーテル関連上肢深部静脈血栓症と定義1)2)し,解説します。