「はじめに」2006年,病変表層の血管および表面構造を強調するnarrow band imaging(NBI)の登場は,それまで大腸腫瘍診断のgold standardであった色素内視鏡観察(pit pattern)の役割を大きく変化させることとなった。本稿ではpit pattern診断に対する拡大NBI診断の役割,および日本国内で乱立していたNBI分類が統一されたので,統一分類についても言及したい。
「拡大NBI観察と拡大色素内視鏡観察(pit pattern)」2006年,われわれは血管の分類であるcapillary pattern(CP)分類(佐野分類)を世界に先駆けて報告し(図1)1),分類のvalidationについても前向き研究を行い,その診断能も報告してきた(図2)。腫瘍・非腫瘍の質的診断に関して,CP分類は,感度:96.4 %,特異度:92.3 %,正診率:95.3 %と高い診断能が報告され,また2009年,van den Broekらは,NBIは色素内視鏡と同等の効果があることをMeta analysisにより報告しており,拡大NBI観察は色素内視鏡観察を置き換えたといえるだろう2)。
「拡大NBI観察と拡大色素内視鏡観察(pit pattern)」2006年,われわれは血管の分類であるcapillary pattern(CP)分類(佐野分類)を世界に先駆けて報告し(図1)1),分類のvalidationについても前向き研究を行い,その診断能も報告してきた(図2)。腫瘍・非腫瘍の質的診断に関して,CP分類は,感度:96.4 %,特異度:92.3 %,正診率:95.3 %と高い診断能が報告され,また2009年,van den Broekらは,NBIは色素内視鏡と同等の効果があることをMeta analysisにより報告しており,拡大NBI観察は色素内視鏡観察を置き換えたといえるだろう2)。