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State of the art 大腸癌化学療法の現状と新たな展開

新規抗悪性腫瘍薬(TAS-102)

久保木恭利

大腸がんperspective Vol.2 No.2, 38-42, 2015

「Summary」TAS-102は,トリフルオロチミジン(FTD)とその分解を阻害するチミジンホスホリラーゼ阻害薬(TPI)を1対0.5の比率で配合した経口の新規ヌクレオシド系抗悪性腫瘍剤である。FTDはTAS-102の活性成分であり,DNAへ直接取り込まれDNAの機能障害を引き起こす。日本で実施されたTAS-102の第Ⅱ相臨床試験では,標準治療不応もしくは不耐の転移性大腸癌において全生存期間が延長することが示され,日本において世界で初めて,2014年3月24日承認され,5月26日販売となっている。第Ⅱ相臨床試験の良好な結果を受け,国際共同第Ⅲ相臨床試験(RECOURSE試験)が計画され,日米欧の13ヵ国で実施された。結果,全生存期間中央値はTAS-102投与群で7.1ヵ月,プラセボ投与群では5.3ヵ月と,TAS-102による,全生存期間の延長が第Ⅲ相試験においても再現されることとなり,無増悪生存期間も第Ⅱ相試験同様延長を示した。毒性も好中球減少をはじめとした血液毒性が主であり,きわめて良好な忍容性を示した。現在米国食品医薬品局(FDA)によって優先審査の指定を受け,もう間もなく,TAS-102は大腸癌化学療法におけるglobal standardとなる。
「Key words」大腸癌,TAS-102,FTD

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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