【State of the art 大腸癌化学療法の現状と新たな展開】
特集にあたって
掲載誌
大腸がんperspective
Vol.2 No.2 15,
2015
著者名
兵頭一之介
記事体裁
抄録
疾患領域
消化器
/
癌
診療科目
消化器内科
/
腫瘍内科
/
消化器外科
媒体
大腸がんperspective
切除不能進行・再発大腸癌に対する全身化学療法の治療成績は,90年代から今日までに飛躍的に改善され生存期間中央値は12ヵ月から30ヵ月を越えようとしている。その過程で,5-FU/ロイコボリンに加えて,イリノテカン,オキサリプラチン,ベバシズマブ,セツキシマブ,パニツムマブと有効な薬剤が次々と登場し,これらの併用療法や投与順序,休薬・再導入,継続投与,分子マーカー(RAS,BRAF,PIK3CA,PTEN遺伝子異常など)に関する臨床試験成績が集積され,現在,世界的に,ほぼ共通の治療ガイドラインが策定されるに至っている。また,この間に5-FUはUFT/ロイコボリン,カペシタビン,TS-1などの経口フッ化ピリミジンに置き換えが可能であることも検証されている。さらに,この数年間では最終治療ラインにおけるレゴラフェニブとTAS-102の生存期間延長が明らかにされた。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。