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Catch Up 分子生物学

大腸癌におけるmicroRNAの最新の知見

井上彬植村守山本浩文土岐祐一郎森正樹

大腸がんperspective Vol.2 No.1, 54-58, 2015

「Summary」microRNA(miRNA)とは,生体内に存在する21~23塩基の核酸からなるnon-coding(非翻訳性)RNAの一種で,複数の標的遺伝子の発現を制御し,生体内のさまざまな分子機構を精巧に調節している。近年の研究では,miRNAが癌の発生や悪性化において重要な役割を担うことが次々と明らかになり,大きなトピックとなっている。Valeriらは,miRNA-135bが大腸癌の発癌機構に作用し,癌の進展を促進する分子であることを明らかにした。一方,BuらはmiRNA-34aが大腸癌幹細胞において,notchシグナル(細胞間の情報伝達シグナル)を制御することによって,癌細胞の運命(自己増殖と分化)を決定づける重要な役割を担っていることを明らかにした。このように,大腸癌におけるmicroRNAの分子機構の解明により,早期診断法や分子標的治療薬に次ぐ次世代核酸医薬などの新規治療法の開発に繋がる可能性があり,癌患者への臨床応用の実現が期待されている。
「Key words」microRNA(miRNA),標的遺伝子,大腸癌の分子機構,早期診断法,次世代核酸医薬

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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