一般血液内科医向けQ&A
血栓症とDOAC(直接経口抗凝固薬)について教えてください
掲載誌
Frontiers in Haemophilia
Vol.6 No.1 27-29,
2019
著者名
小板橋紀通
記事体裁
特集
/
Q&Aシリーズ
/
抄録
疾患領域
循環器
/
血液
/
小児疾患
診療科目
循環器内科
/
血液内科
/
小児科
媒体
Frontiers in Haemophilia
過去50年の間,経口抗凝固薬はビタミンK拮抗薬であるワルファリンであったが,その効果は多くの食物や併用薬剤に影響を受けることから採血による頻回のモニタリングのうえでの用量設定が必要であり,その煩雑性,即効性がないこと,個人差が大きいことなどの点から,新規非ビタミンK阻害経口抗凝固薬(NOAC)が開発された.2011年にトロンビン阻害薬であるダビガトランが使用できるようになってから7年が経過し,新しいとはいえないため,最近では直接(作用型)経口抗凝固薬(direct oral anticoagulants;DOAC)と呼ばれることが多くなった.トロンビン阻害薬であるダビガトラン,第Xa因子阻害薬であるリバーロキサバン,アピキサバン,エドキサバンが,心房細動に対して保険適用となり,2015年には静脈血栓塞栓症(venous thromboembolism;VTE)に対しても,DOAC3剤(リバーロキサバン,アピキサバン,エドキサバン)が保険適用された.ワルファリンの煩雑さが解消され,一般内科医でも心房細動の血栓リスク管理やVTEの治療が,DOACを使用することで簡便で容易になった.4種類のDOACは現時点で臨床試験結果に薬剤間の大きな差はないが,細かい用量設定や注意すべき併用薬剤などに違いがある(表1)
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。