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THEME ブレインハートチーム Special Articles

PFO治療の現状と展望:ブレインハートチームへの期待

天野雅史泉知里

Cardio-Coagulation Vol.9 No.3, 29-36, 2022

卵円孔開存(PFO)に対する治療適応判断や経皮的PFO閉鎖術の施行において,脳神経内科と循環器内科が密接に連携をとるブレインハートチームの存在は欠かせないものである。PFOを治療する必要があるのは大半がPFOの関与がありうる潜因性脳梗塞を発症した場合であり,この診断は脳神経内科医によって詳細な検討のもとになされる。一方,ブレインハートチームで議論するには循環器内科医も脳梗塞に関する知識を得る必要がある。
PFO診断が可能なモダリティとして,経胸壁心エコー図検査・経頭蓋ドプラ法・経食道心エコー図検査があり,両科が合同で診断にあたる。最終的には経食道心エコー図検査でPFOの形態診断を行い,経皮的PFO閉鎖術の可否に関してブレインハートチームで決定し,はじめて経皮的PFO閉鎖術施行が可能となる。ブレインハートチームで1症例ごとに慎重に診断・協議し,より閉鎖術が有益と考えられる症例を治療することで,PFO治療全体における治療効果・利益向上につながると考える。
「KEY WORDS」卵円孔開存(PFO),潜因性脳梗塞,心エコー図検査,経頭蓋ドプラ法,ブレインハートチーム

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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