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THEME 心房細動患者におけるポリファーマシーを考える Special Articles

ポリファーマシーの現状と取り組み

大井一弥

Cardio-Coagulation Vol.7 No.3, 21-26, 2020

2020年7月,総務省は人口減少に加えて65歳以上の高齢者の割合が28%を超えたという人口推計を発表している。また65歳以上の国民医療費は総額の60%以上を超えており,高齢者の医薬品適正使用について多面的な議論が必要となっている。高齢者は老年症候群や慢性疾患における治療の遷延化など多くの問題を抱え,ポリファーマシーの現状にある。また高齢者は全般的に生理機能が低下しているために突然の体調不良で水分や食事摂取量の低下を招き,最悪の場合は低栄養状態にまで至る可能性があり,薬物療法に大きな影響をもたらす。
抗凝固薬の領域において,P糖蛋白や代謝酵素CYP3A4を阻害する薬剤はDOACの抗凝固作用を増強するので,ワルファリンと同様に併用薬の確認が必要である。
高齢者の生理機能や薬物体内動態は若年成人と異なることから,ポリファーマシーによる症状の増悪や相互作用の視点をもった治療評価は重要である。
「KEY WORDS」ポリファーマシー,医薬品適正使用,高齢者,薬物動態,抗凝固薬

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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