THEME 抗不整脈薬の使い方 Special Articles
Ⅲ群薬の使い方
Cardio-Coagulation Vol.6 No.2, 32-36, 2019
アミオダロン,ソタロール,ベプリジル,ニフェカラントはいずれもⅢ群薬に分類されるK⁺チャネル遮断薬であるが,その薬理学的特徴および臨床効果は薬剤間で大きく異なっている。実際に使用して経験してみないとわからないコツやピットフォールも少なくない。
まず,重篤な副作用を避けることを常に念頭に置く。内服薬については,添付文書に記載されている用量は明らかに多い。少量から開始し,副作用の発現がないか注意を払う。アミオダロン内服における間質性肺炎は致死的となるため,少量投与および聴診などによる早期発見によって対処する。ソタロール内服とベプリジル内服はQT延長およびtorsade de pointes(TdP)発症を予防するため,少量から開始し高齢女性への投与は控える。ニフェカラントは緊急時に使用されることが多く有効性も高いが,TdP発症の可能性も高いため一時ペーシングがいつでも行えるように準備したうえで使用すべきである。
「KEY WORDS」K⁺チャネル遮断薬,QT延長,torsade de pointes,間質性肺炎
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。