心房細動に伴う血栓塞栓症の予防において,抗凝固療法は必須の治療である。直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)のなかで2番目に登場したリバーロキサバンは,国際共同試験であるROCKET AF試験でその効果と安全性についてはワルファリンと比べ非劣性であることが示された。しかしながら,このような大規模臨床試験の結果が実臨床の患者にもあてはまるかは,慎重に判断しなければならない。患者背景を考慮して最も適した抗凝固薬を選択し,適切に使用するためには,それぞれの抗凝固薬の特徴を知っておくことが重要である。リバーロキサバンを選択する利点は,良好な服薬アドヒアランス,脳梗塞二次予防に関するエビデンス,また日本人のみを対象とした臨床試験およびリアルワールドデータを有している点などが挙げられる。一方,特異的中和薬がないことや併用禁忌薬の存在など,制限となる部分もある。本稿では,リバーロキサバンの長所と短所について概説する。
「KEY WORDS」直接作用型経口抗凝固薬,リバーロキサバン,服薬アドヒアランス,リアルワールドデータ