特集 アンチエイジングから骨代謝を考える
3.高血圧と骨粗鬆症
Hypertension and Osteoporosis
Anti-aging Science Vol.7 No.1, 29-32, 2015
「Ⅰ はじめに」わが国が迎える超高齢社会において,高血圧と骨粗鬆症はますます増加の一途をたどっている.「高血圧治療ガイドライン2014」においても,高齢者の特殊性として転倒・骨折に留意した治療が推奨されるようになった.本稿では骨粗鬆症と高血圧に関連する新しい分子機構に関して概説する.
「Ⅱ 副甲状腺ホルモンと骨粗鬆症」高血圧患者はナトリウムの再吸収による体液貯留が認められることが多いが,その一方で尿中へのカルシウム排泄量が増加することも知られている.すなわち,血圧と血清カルシウム濃度が逆相関し,血圧と副甲状腺ホルモン(PTH)とが正相関することが報告されていることから,高血圧患者においては尿中へのカルシウム排泄増加に伴い,二次性副甲状腺機能亢進症を惹起して,骨からのミネラル損失を誘導すると考えられている1).
「Key Words」高血圧,骨粗鬆症,副甲状腺ホルモン,レニン・アンジオテンシン系
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