【特集 アンチエイジングから心房細動を考える】
2.アンチエイジング薬と心房細動
Anti-aging drugs as new strategies against atrial fibrillation
掲載誌
Anti-aging Science
Vol.6 No.3 100-105,
2014
著者名
手嶋泰之
記事体裁
抄録
疾患領域
循環器
診療科目
心臓血管外科
媒体
Anti-aging Science
「Ⅰはじめに」心房細動は基礎心疾患に加え,高血圧や糖尿病などの生活習慣病を基盤として発症することが多く,人口の高齢化や生活習慣の欧米化によりその患者数は爆発的に増加している.日本国内の患者数は2005年時点で推計71万人であり,2050年には100万人を超えると予測されている.心房細動自体は非致死性であるが,心内血栓形成による脳梗塞の発症や慢性心不全の増悪因子として生命予後に重大な影響を及ぼす病態である.心房細動は一旦発症するとそれ自体が心筋の性質や構造を変化させ,心房細動を持続させやすくするという特性があり“Af begets Af”と呼ばれている.その機序として早期には電気的リモデリング,長期には構造的リモデリングが関与する.構造的リモデリングの代表として心房組織の線維化が挙げられ,その促進には炎症と活性酸素種の増加が深く関与することが最近の研究でわかってきた.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。