老化と心血管疾患
第2回 細胞老化と血管老化
掲載誌
Anti-aging Science
Vol.6 No.1 37-42,
2014
著者名
林由香
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須田将吉
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吉田陽子
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南野 徹
記事体裁
抄録
疾患領域
循環器
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脳血管障害
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アンチエイジング
診療科目
循環器内科
/
神経内科
/
老年科
媒体
Anti-aging Science
「1. はじめに」 わが国は世界でも類をみない速度で高齢化が進行しており, 今世紀半ばには3人に1人が高齢者になると予想されている. その中で糖尿病, 動脈硬化, 高血圧などの生活習慣病は加齢に伴ってその罹患率が増加し, また加齢がそれらの疾患のリスクファクターであることは, 疫学的な研究で明らかとなっている. 高齢化の進行とともにこれらの疾患の患者はどんどん増えてくることは容易に考えられる. にもかかわらず加齢に伴ってこれらの病態がどのように変化するかという観点からの研究は行われてきたが, なぜ加齢に伴ってこのような生活習慣病や心不全などが増加してくるかを含め老化という観点からの包括的な研究は行われておらず, そのメカニズムについてはいまだ明らかとなっていない. そこで本稿では, 老化の一因と考えられている細胞老化と血管老化との関わりについて紹介する. 「2. 細胞老化とテロメアp53」 老化のメカニズムの研究は最近10年間で飛躍的な進歩を遂げている.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。