【特集 アンチエイジングから高齢者高血圧を考える】
4.高齢者高血圧と性差医学
Gender difference in hypertension in the elderly
掲載誌
Anti-aging Science
Vol.6 No.1 25-27,
2014
著者名
小島 太郎
/
秋下 雅弘
記事体裁
抄録
疾患領域
高血圧
/
代謝・内分泌
/
アンチエイジング
診療科目
一般内科
/
循環器内科
/
産婦人科
/
腎臓内科
/
老年科
媒体
Anti-aging Science
「I はじめに」 女性の心血管疾患が更年期以後に出現するため, エストロゲンは女性の心血管疾患を抑制すると思われていたが, 2002年に発表されたWomen's Health Initiative1)の研究によりホルモン補充療法が逆に増加させることが報告されて以来, 性差を考慮した循環器系疾患の影響を検討する研究は縮小せざるを得なくなった. 特に高血圧はわが国の男女共に高率に認められており, 診断や治療においても妊婦を除けば性差による治療方針に基本的には違いはない. 本稿では, 性差に注目し高齢者高血圧の疫学や薬物代謝, 治療薬の効果につき概説していく. 「II 疫学における性差」 2000年の第5次循環器疾患基礎調査2)によると, 日本人の高血圧患者は男女計で約4,000万人とされ, 30歳以上では日本人男性の47.5%, 女性の43.8%が高血圧であり, 人口の高齢化と共に男女共にその比率が今後も高くなることが懸念されている.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。