<< 一覧に戻る

特集 アンチエイジングから高齢者高血圧を考える

2.高齢者高血圧と認知機能

Hypertension and Cognitive Function in the Elderly

古田芳彦脇坂義信北園孝成

Anti-aging Science Vol.6 No.1, 13-17, 2014

「I はじめに」 認知症患者の割合は65歳以上の高齢者の約10%を占め, 80歳以上の超高齢者ではおよそ5人に1人が認知症を有している. したがって, わが国をはじめ高齢化率の高い国々では, 認知症は医学的・社会的に重要な問題であり, わが国でもその社会的負担は計り知れないものとなりつつある. 老年期認知症の内訳は, アルツハイマー病(AD)が最も多く, 次いで脳血管性認知症(VaD), レビー小体型認知症の頻度が多い1). 高血圧は動脈硬化の最大の危険因子であることから, VaDのリスクを増大させることが危惧される. 一方でADは老人斑や神経原線維変化の増加を特徴とする神経変性疾患であるが, 最近は高血圧などの動脈硬化危険因子がADの成因に関与するという血管仮説も提唱されている. また高齢者になるほどADとVaDの両方の病変が併存しやすくなることも報告されている. 本稿では, 高血圧が認知症発症に及ぼす影響について, また降圧治療による認知症発症抑制効果の可能性について, 疫学研究や臨床研究の成績を基に概説する.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る