日内リズムとアンチエイジング
第6回 時計遺伝子と血管不全
掲載誌
Anti-aging Science
Vol.5 No.1 41-46,
2013
著者名
前村 浩二
記事体裁
抄録
疾患領域
その他
診療科目
その他
媒体
Anti-aging Science
「1. はじめに」われわれの行動や生理機能には約1日周期のリズムである概日リズム(またはサーカディアンリズム)がみられる. このリズムは生物時計あるいは体内時計と呼ばれる生物の体内に内在している時計によって調節されている. 体内時計の存在は, 時差ボケ, あるいはシフトワーク中の体調の不良という形で誰もが身近に実感させられる. 時計遺伝子が同定されたことにより, それらの遺伝子改変マウスが作成され, 時計遺伝子が癌, 糖脂質代謝異常, 血管機能不全や高血圧などの病態と関連していることが明らかとなり一躍脚光を浴びている. 本稿では時計遺伝子と疾患の発症との関連を, 特に血管機能, 動脈硬化発症に焦点をあてて概説したい. 「2. 血管不全と動脈硬化」William Oslar博士の有名な言葉に「人は血管とともに老いる」とあるように, 老化に関連するさまざまな疾患は血管の老化に起因するものが多い.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。