【特集 アンチエイジングから認知症を考える】
ホルモン年齢より認知症を考える
掲載誌
Anti-aging Science
Vol.4 No.3 128-131,
2012
著者名
秋下 雅弘
記事体裁
抄録
疾患領域
その他
診療科目
その他
媒体
Anti-aging Science
「I はじめに」認知症, 特にアルツハイマー病は男性よりも女性に多いが, 明確な理由はわかっていない. 更年期にエストロゲン分泌がほぼ停止することが1つの理由として挙げられている. このように内因性エストロゲンは認知症に対して予防的に働くと考えられているのに対し, 閉経後女性に対するエストロゲン補充療法は認知症の発症を促進する可能性が高いというのが海外の大規模介入試験の結論である. 一方, アンドロゲンの加齢性低下は男女で認知症発症のリスクになるという研究報告が相次ぎ, アンドロゲンの認知機能に対する作用に注目が集まってきた. 以下に, 性ホルモンと認知症, 認知機能との関係について紹介する. 「II 性ホルモン濃度と認知症」女性では内因性エストロゲンがさまざまな疾患に対して保護的に作用すると考えられているように, 男性では内因性テストステロンはさまざまな臓器で生理作用を発揮する, つまり高齢男性のテストステロン低下は各種疾患の促進因子となると考えられるようになった.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。