Theme 新しいがん治療のState of the Art Learn more from previous clinical trial
1次治療の進行胆道がん患者を対象としたゲムシタビン+シスプラチンとの併用療法におけるデュルバルマブの有効性および安全性を評価する第Ⅲ相無作為化二重盲検プラセボ対照国際共同試験(TOPAZ-1)
がん分子標的治療 Vol.20 No.1, 132-135, 2022
胆道がんは肝内胆管と肝外胆管がん,胆囊がん,乳頭部がんに分類される1)。胆道がんの治療の基本は外科的手術であるが,非切除症例に対しては2010年,切除不能胆道がんに対するゲムシタビン(GEM)単独療法とゲムシタビンとシスプラチン(CDDP)の併用療法(GC療法)を比較する無作為化第Ⅲ相臨床試験(ABC-02試験)2)3)により胆道がんの第Ⅲ相臨床試験で延命効果が初めて示された。外来でも実施可能であり,患者負担も少ないことから国際的に標準的な治療として行われてきた。一方,近年,多くの固形腫瘍で化学療法に免疫療法を加えることで化学療法単独と比較して全生存期間(OS)や無再発生存期間(RFS)の延長4)5)効果が報告されていることから,胆道がんにおいてもGC療法に免疫チェックポイント阻害薬を加えることで,より良好な治療成績が得られることが期待された6)。
本稿においては,胆道がん1次治療において免疫チェックポイント阻害薬とGC療法の併用療法の有効性が初めて示されたTOPAZ-1試験に関して概説する。
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