Theme 新しいがん治療のState of the Art State of the art reviews and future perspectives
Ⅰ.臓器別 肝胆膵がんの薬物療法の現状
がん分子標的治療 Vol.20 No.1, 39-43, 2022
肝細胞がんに対する分子標的治療は,ソラフェニブを皮切りに多くの血管新生阻害作用を有するマルチキナーゼ阻害薬が保険適用となっている。さらにアテゾリズマブとベバシズマブの併用療法が1次薬物療法の標準治療となった。胆道がん・膵がんは,特定の遺伝子変異を有する患者を対象とした分子標的薬の開発が進められ,膵がん生殖細胞系列BRCA1/2遺伝子陽性例に対するオラパリブ,胆道がんFGFR2融合遺伝子陽性例に対するペミガチニブが保険適用となっている。今後,HER2,IDH1などの遺伝子変異を有する患者を対象とした治療開発も期待される。
「KEY WORDS」肝細胞がん,胆道がん,膵臓がん,分子標的薬,がん遺伝子変異
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。