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Theme 新しいがん治療のState of the Art State of the art reviews and future perspectives

Ⅰ.臓器別 非小細胞肺がんにおけるゲノム医療の現状と今後の展望

岩間映二岡本勇

がん分子標的治療 Vol.20 No.1, 18-21, 2022

「がんゲノム医療」は,患者から採取した検体(がん組織や血液)を用いて,多数の遺伝子を同時に調べ,同定された遺伝子異常に対して分子標的薬を投与する個別化医療のことである。狭義には,がん遺伝子パネル検査(以下,パネル検査)と呼ばれる数百の遺伝子を対象とした次世代シークエンサー検査を用いるものを意味し,このパネル検査は2019年6月にさまざまな固形がんに対して保険適用となった。一方,非小細胞肺がんにおいては2004年にEGFR遺伝子変異に対するEGFRチロシンキナーゼ阻害薬の有効性が示されて以降,多数のドライバー遺伝子の発見と分子標的薬の開発がなされ,早くから遺伝子検査に基づく個別化医療が日常診療で行われている。非小細胞肺がんにおいては,前述したパネル検査を含め複数のマルチプレックス遺伝子検査が保険適用となっており,これらの検査を用いて適切なドライバー遺伝子を同定し,分子標的薬を投与することが重要である。本稿では診断時の遺伝子スクリーニング,パネル検査の実施意義と今後の展開について概説する。
「KEY WORDS」非小細胞肺がん,ドライバー遺伝子,遺伝子スクリーニング,オンコマイン,AmoyマルチPCR

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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