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Theme 新しいがん治療のState of the Art State of the art reviews and future perspectives

Ⅰ.臓器別 造血器腫瘍に対する分子標的薬

松村到

がん分子標的治療 Vol.20 No.1, 12-17, 2022

造血器腫瘍では,慢性骨髄性白血病に対するチロシンキナーゼ阻害薬イマチニブ,B細胞性リンパ腫に対する抗CD20抗体リツキシマブが2001年に登場して始まった。それ以降,骨髄異形成症候群に対するメチル化阻害薬,急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia;AML)に対するFLT3阻害薬,骨髄増殖性腫瘍に対するJAK阻害薬,慢性リンパ性白血病(chronic lymphocytic leukemia;CLL)に対するBTK阻害薬,多発性骨髄腫に対するプロテアソーム阻害薬,免疫調整薬が承認された。また,Bcl-2阻害薬ベネトクラクスもAML,CLLに用いられている。抗体薬としては,多発性骨髄腫に対する抗CD38抗体,急性リンパ性白血病に対するCD22に対する抗体-薬物複合体(antibody-drug conjugate;ADC),CD19/CD3二重特異性T細胞誘導抗体,悪性リンパ腫に対する抗CD79bに対するADCが高い有効性を示している。今後,造血器腫瘍に対する分子標的治療は,更なる発展が期待される。
「KEY WORDS」チロシンキナーゼ阻害薬,FLT3阻害薬,Bcl-2阻害薬,抗体−薬物複合体,二重特異性T細胞誘導抗体

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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