2020年11月,抗programmed death(PD)-1抗体であるニボルマブと抗cytotoxic T-lymphocyte antigen(CTLA)-4抗体であるイピリムマブとの併用療法が切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんに対して承認され,一次治療の1つとして推奨されている1)。また,ニボルマブ+イピリムマブと化学療法の併用療法も同時期に国内で承認となった。これらの治療法は,それぞれ国際共同第Ⅲ相臨床試験であるCheckmate 227試験2)とCheckmate 9LA試験3)の結果に基づき承認を取得している。しかしながら,上記試験を含めた免疫チェックポイント阻害薬(ICI)に関する臨床試験の参加患者は欧米人が中心であり,日本人を含むアジア人は比較的少数であるため4),日本人においても同様の結果が期待されるのかに関しては慎重な検討が必要である。本稿ではCheckmate 227試験とCheckmate 9LA試験,またそれぞれの日本人を含むアジア人サブグループ解析の結果に関して概説し,ニボルマブ+イピリムマブ併用療法における人種差の有無に関して考察する。
Theme 新しいドラッグデリバリーシステムによる抗悪性腫瘍薬 Learn more from previous clinical trial
ニボルマブ+イピリムマブ併用療法に人種差はあるか?
掲載誌
がん分子標的・免疫治療(旧:がん分子標的治療)
Vol.19 No.2 129-132,
2022
著者名
春谷勇平
/
有安亮
/
柳谷典子
記事体裁
連載
/
抄録
疾患領域
癌
診療科目
腫瘍内科
媒体
がん分子標的・免疫治療(旧:がん分子標的治療)
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。