慢性骨髄性白血病(chronic myeloid leukemia;CML)治療には,すでに複数の有効なチロシンキナーゼ阻害薬(tyrosine kinase inhibitor;TKI)があり,一見もうこれ以上お薬は要らないのではと思われるかも知れない。しかしながら,たとえば1st line TKIによってoptimal responseが得られず2nd line TKIに変更したが,さらにoptimal responseが得られなかったり不耐であったりで,結局3rd line TKIが必要となる例を経験したという先生は多いのではないだろうか。そして,3rd lineとなると治療に難渋してしまう1)。そこで,もう1剤有効で安全性の高い薬剤が欲しいと,実感されている先生もおられるだろう。またT315I変異例,特にT315I変異例で心血管系リスクを有する患者の治療にお困りの先生もおられるだろう。
このように,既存のTKIに対して不応・不耐例や,T315I変異例などにおいて,CML治療にはいまだunmet needsが存在しているといえる1)