近年肺がんの診断および治療における発展は著しく,正確な診断に基づいた最適な治療の提供が可能となってきており,precision medicineと呼ばれている。正確な診断とは肺がん患者のゲノム情報を含む分子生物学的情報を取得することであり,それらの情報を所謂バイオマーカーとして治療選択に利用することで患者に最適な治療の提供を実現する。多くのバイオマーカーは腫瘍組織特異的に検出され,それらは発がんに強く関与する因子であることにより,腫瘍特異的な分子生物学的特徴を同定することは新たな治療開発において非常に重要である。同時に発がんの機序や遺伝子変異の頻度は人種差があることが知られており,個々の人種にて発がんおよび腫瘍増殖のメカニズムを解明することが重要である。
Chenらの論文1)は東アジア人,そのなかでも特に非喫煙者における分子生物学的特徴を明らかにするため,ゲノム解析だけでなく,プロテオミクスの手法を同時に用いることで,従来のゲノム研究だけでは解明できなかった特徴を明らかにすることに取り組んでいる。本論文を含めた同様の取り組みが,東アジア人の肺がんにより最適な治療開発へとつながる可能性がある。
Chenらの論文1)は東アジア人,そのなかでも特に非喫煙者における分子生物学的特徴を明らかにするため,ゲノム解析だけでなく,プロテオミクスの手法を同時に用いることで,従来のゲノム研究だけでは解明できなかった特徴を明らかにすることに取り組んでいる。本論文を含めた同様の取り組みが,東アジア人の肺がんにより最適な治療開発へとつながる可能性がある。