ラムシルマブは,ソラフェニブに不応/不耐の二次治療の肝細胞がん患者を対象としてプラセボと比較した第Ⅲ相臨床試験(REACH試験)1)において,主要評価項目である全生存期間(overall survival;OS)の延長を示すことができなかった。しかし,REACH試験のサブグループ解析にて,α-fetoprotein(AFP)が400ng/mLの患者において有意に良好な生存期間が示された。その結果を受けて,対象をAFP400ng/mL以上の患者に限定して,再度プラセボと比較した第Ⅲ相臨床試験(REACH-2試験)2)を行い,主要評価項目であるOSの延長効果が示された。本邦においては,「がん化学療法後に増悪した血清AFP値が400ng/mL以上の切除不能な肝細胞癌」患者に対して,2019年6月18日に適応承認された。ラムシルマブは,肝細胞がんの薬物療法において,唯一バイオマーカーとして患者選択を行った対象に有用性が示された分子標的治療薬である。このラムシルマブのREACH-2試験について概説する。
Theme がんゲノム医療を検証する Learn more from previous clinical trial
REACH-2試験(AFP高値HCCに対するラムシルマブ)
掲載誌
がん分子標的・免疫治療(旧:がん分子標的治療)
Vol.19 No.1 108-111,
2021
著者名
池田 公史
記事体裁
連載
/
抄録
疾患領域
癌
診療科目
腫瘍内科
媒体
がん分子標的・免疫治療(旧:がん分子標的治療)
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。