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Theme がんゲノム医療を検証する State of the art reviews and future perspectives

造血器悪性腫瘍に対するがんゲノムパネル検査

加藤元博

がん分子標的治療 Vol.19 No.1, 41-44, 2021

造血器腫瘍の診療ではゲノム検査の結果が以前から活用されてきたが,パネル検査の実装という点では固形腫瘍の後を追うかたちで進められている。造血器腫瘍に対するパネル検査は,治療標的の探索に加え,診断分類の確定や,予後予測因子としての活用の点でより有用であることも特徴的である。さらには,融合遺伝子やコピー数異常の検出も必要であり,対象となる遺伝子を最適化するだけでなく,その検出法・解析法についても造血器腫瘍に特化したパネル検査の開発が期待されている。パネル検査の適応についても,再発・難治に限定せずに,むしろ診断時から積極的に対象とすることでその意義は最大化される。エキスパートパネルの位置づけも含め,造血器腫瘍に適した体制の整備も求められる。診療に実装する有用な検査として,さらなる発展も見込まれ,検査自身の特性も含めた理解を広めることが重要である。
「KEY WORDS」造血器腫瘍,診断,予後予測,遺伝的背景

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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