Theme がんゲノム医療を検証する State of the art reviews and future perspectives
C-CATの現状,課題,今後の方向性
がん分子標的治療 Vol.19 No.1, 19-25, 2021
日本のがんゲノム情報の集約・管理・利活用を図るための機関として,がんゲノム情報管理センター(C-CAT)が設置され,2019年6月より保険適用された2つのがん遺伝子パネル検査・受検者の臨床情報およびゲノム情報のC-CATレポジトリーへの登録が始まった。2021年2月末での登録件数は1万3千件を超えている。C-CATでは,同定される変異の解釈・臨床的意義付け・国内臨床試験情報などを記載したC-CAT調査結果の作成や,診療現場でのレポジトリーデータの利用を支援するためのシステム「診療検索ポータル」を公開して,ゲノム医療を支援している。研究機関や企業の研究者が二次利活用するためのシステム「利活用検索ポータル」を2021年度より国内向けに運用開始し,2022年度以降に海外向けの運用も開始予定である。がん遺伝子パネル検査の結果を受け,遺伝子変異に見合う治療が行われる患者割合を向上させることなどが,C-CATの課題となっている。
「KEY WORDS」がんゲノム情報管理センター,がんゲノム医療,情報利活用,データ共有,がん遺伝子パネル検査
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。