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Theme 固形がんに対する免疫療法と分子標的治療の進歩 State of the art reviews and future perspectives

腎・膀胱がん

近藤千紘松原伸晃

がん分子標的治療 Vol.18 No.2, 45-50, 2020

2018年,腎がん(RCC)は免疫併用療法の時代に突入した。スニチニブ単剤と比較し,イピリムマブ+ニボルマブ併用療法はInternationalmetastatic RCC Database Consortium分類で中/高リスク群の転移性RCCに対し,全生存期間と客観的奏効割合で優越性を示した。1年遅れて全リスク群の転移性RCCにおいてペムブロリズマブ+アキシチニブ併用療法およびアベルマブ+アキシチニブ併用療法が優越性を証明し,本邦でも2019年12月より選択可能となった。尿路上皮がんは,2017年よりペムブロリズマブが2次治療の標準治療である。今後は,免疫療法がより前のラインに移る治療戦略や,線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)遺伝子変異または融合遺伝子例に対するFGFR阻害薬やnectin-4を標的としたantibody drug conjugate(ADC)であるenfortumab vedotinなどの分子標的薬の登場が期待されている。
「KEY WORDS」イピリムマブ+ニボルマブ,ペムブロリズマブ+アキシチニブ,アベルマブ+アキシチニブ,ペムブロリズマブ,FGFR阻害薬,Nectin-4阻害薬

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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