Theme 固形がんに対する免疫療法と分子標的治療の進歩 State of the art reviews and future perspectives
胃がんおよび食道がんの免疫療法と分子標的治療の進歩
がん分子標的治療 Vol.18 No.2, 20-26, 2020
がんの分子生物学的特性およびがんゲノム情報の理解が深まるにつれ,胃がんおよび食道がんにおける免疫療法および分子標的薬の開発が進んでいる。胃がんでは2009年にHER2陽性胃がんに対するトラスツズマブ併用療法の有効性が報告され,承認を得て以降,2次治療において血管新生阻害薬であるラムシルマブが,3次治療において抗PD-1抗体薬であるニボルマブが承認された。食道がんでは2次治療におけるニボルマブの有効性が示され,標準治療となった。現在,免疫チェックポイント阻害薬を基軸に,殺細胞性抗がん剤や分子標的薬との併用療法,さらには異なる機序の免疫療法薬の組み合わせなどの臨床試験が各治療ラインで進行中であり,胃がんおよび食道がんの治療成績がさらに向上することが期待される。
「KEY WORDS」胃腺がん,食道扁平上皮がん,HER2阻害薬,血管新生阻害薬,免疫チェックポイント阻害薬
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