悪性リンパ腫や白血病を含むさまざまながん腫において,B-cell lymphoma2(BCL2)ファミリー蛋白は,細胞死の重要な制御分子として機能していることが知られ,新規BCL-2阻害薬ベネトクラクス(ABT-199)による選択的な細胞死誘導効果が示されている1)2)。本稿では,新規分子標的療法として期待されているBCL-2阻害薬による,主に急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia;AML)を中心とした造血器腫瘍に対する新たな治療戦略の可能性について概説する。