ゲムツズマブオゾガマイシン(GO)は,抗CD33抗体に細胞傷害性抗腫瘍性抗生物質であるカリケアマイシンが結合した抗体薬物複合体である。3つの第Ⅱ相試験において,初回再発のCD33陽性急性骨髄性白血病(acute myeloidleukemia;AML)に対するGO単剤の有効性が示され1)2),2000年に米国で,2005年に国内で発売が承認された3)。しかし,標準化学療法に対するGO併用の有効性を検証した米国第Ⅲ相比較試験において,GO併用の有効性が認められないばかりか,GO併用群で致死的有害事象が多かったため4),2010年に米国で一時承認取り下げとなった。しかし,GOの至適投与量が見直され,標準化学療法へのGO併用またはGO単剤の有効性が改めて示されたことから5),2017年に米国で再承認に至り,現在ではAMLに対する非常に有望な薬剤としてさまざまな臨床試験で有効性が検証されている。
本稿では,現在までの臨床試験の結果を要約するとともに,一部のnegative studyに関して考察し,国内における今後の課題について検討したい。