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Theme 造血器腫瘍の分子標的治療の最前線 Pharmacogenomics and biomarker

がんゲノム医療におけるVUS(variant of unknown significance)の評価

高阪真路

がん分子標的治療 Vol.18 No.1, 72-77, 2020

がんゲノムプロファイリング検査では広範囲のゲノム情報を探索するために意義付け不明の変異(VUS)が多く発見される。各遺伝子バリアントの遺伝子型(genotype)が,がん細胞にどのような表現型(phenotype)を付与するかを評価することは,がんの診断や治療効果予測に重要である。筆者らは遺伝子バリアントをハイスループットに機能解析することを可能にする,新しいがん遺伝子機能解析法(MANO法)を開発した。この手法を用いてEGFRやERBB2遺伝子のVUSの機能評価を行うと,新規のがん化メカニズムや薬剤耐性メカニズムが多数明らかになった。大規模なVUSの機能データベースを構築することは,個々の患者への最適な治療法の提供につながると同時に,がんの生物学の理解を深めることで新たな治療法の開発につながる。
「KEY WORDS」VUS,ハイスループット機能解析法,バイオマーカー

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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