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Theme 造血器腫瘍の分子標的治療の最前線 Cancer biology and new seeds

Clonal Hematopoiesisと関連する疾患

南谷泰仁

がん分子標的治療 Vol.18 No.1, 50-55, 2020

クローン性造血は,明らかな造血器腫瘍が存在しないヒトにおいても加齢に伴い増加して観察される現象として認識されるようになった。クローン性造血は骨髄性腫瘍にみられるdriver遺伝子の変異をもつことが多く,造血器腫瘍の発生率が高いことが知られる。しかし近年クローン性造血の存在が血管アテローム性動脈硬化病変や糖尿病に伴う血管病変の増加とも関係し,その結果,全生存率の低下とも相関するということが明らかになってきた。TET2など一部の遺伝子変異はマウスモデルによって血管性病変を誘導することが示され,直接的な因果関係が示された。
「KEY WORDS」クローン性造血,造血幹細胞,血管アテローム性動脈硬化病変,TET2遺伝子

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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