Theme 造血器腫瘍の分子標的治療の最前線 State of the art reviews and future perspectives
多発性骨髄腫
掲載誌
がん分子標的・免疫治療(旧:がん分子標的治療)
Vol.18 No.1 38-42,
2020
著者名
李政樹
記事体裁
連載
/
抄録
疾患領域
癌
診療科目
腫瘍内科
媒体
がん分子標的・免疫治療(旧:がん分子標的治療)
多発性骨髄腫における分子標的薬として,プロテアソーム阻害薬であるボルテゾミブおよび,免疫調節薬であるレナリドミドが臨床導入され,多発性骨髄腫の患者の予後は大いに改善した。さらには,新規の薬剤として,プロテアソーム阻害薬である,カルフィルゾミブおよびイキサゾミブ,免疫調節薬であるポマリドミド,さらには抗体薬である,エロツムマブおよびダラツムマブも臨床導入され,3剤療法による治療によるMRD陰性の達成による長期的な寛解も得られ始めている。現在,次なる治療としてBCMAを標的とした免疫細胞療法の開発が進んでおり,なかでもCAR-T細胞療法は,高サイトカイン症候群や神経毒性など今後克服すべき有害事象を抱えながらも,これまでの骨髄腫の治療を変革させ骨髄腫患者の予後をさらに改善することが期待される。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。