Theme 造血器腫瘍の分子標的治療の最前線 State of the art reviews and future perspectives
悪性リンパ腫
掲載誌
がん分子標的・免疫治療(旧:がん分子標的治療)
Vol.18 No.1 32-37,
2020
著者名
伊豆津宏二
記事体裁
連載
/
抄録
疾患領域
癌
診療科目
腫瘍内科
媒体
がん分子標的・免疫治療(旧:がん分子標的治療)
リンパ系腫瘍の分子病態の解明の進歩とともに分子標的薬が開発され,そのうち一部は実診療に導入されつつある。ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬,ホスファチジルイノシトール3キナーゼ(PI3K)阻害薬,BCL2阻害薬がリンパ系腫瘍に対して臨床利用が進んでいる代表的な低分子化合物である。BTK阻害薬イブルチニブは,未治療および再発・難治性の慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL),再発・難治性マントル細胞リンパ腫に対して診療で使われている。BCL2阻害薬ベネトクラクスは,再発・難治性CLL/SLLに対する選択肢となっている。PI3K阻害薬は,国内では未承認であるが,海外では濾胞性リンパ腫やCLL/SLLに対する治療選択肢となっている。これらの分子標的薬には特有の副作用があり,その特徴と管理を理解することが必要である。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。