Theme 造血器腫瘍の分子標的治療の最前線 State of the art reviews and future perspectives
骨髄異形成症候群
掲載誌
がん分子標的・免疫治療(旧:がん分子標的治療)
Vol.18 No.1 10-14,
2020
著者名
市川幹
記事体裁
連載
/
抄録
疾患領域
癌
診療科目
腫瘍内科
媒体
がん分子標的・免疫治療(旧:がん分子標的治療)
骨髄異形成症候群(MDS)は造血幹細胞の難治性の腫瘍性疾患であり,従来化学療法に抵抗し造血幹細胞移植以外の有効な治療がない予後不良の疾患であったが,約10年前よりレナリドミド・アザシチジンという2つの分子標的薬がMDSの治療に導入されるに至っている。一方,次世代シーケンサーを用いた網羅的遺伝子解析技術によってMDSの原因となる遺伝子変異の大部分が明らかになり,MDSの病態に関与するパスウェイが解明されるとともに,新たな経路を標的とする治療薬候補が同定され,そのいくつかが治験段階にある。ここでは,MDSに対してリスク分類のもとに使用されている2つの分子標的薬とともに,現在開発中のいくつかの分子標的薬について紹介したい。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。