Cancer biology and new seeds
新しいdrug delivery system
がん分子標的治療 Vol.17 No.2, 50-57, 2019
EPR効果によるpassive targetingにより多くのナノ粒子系DDS製剤が開発されている。一方,active targetingという長所が活かされ,抗体医薬の臨床応用が進んでいる。さらに,抗体−薬物複合体(ADC)や二重特異性抗体(BsAb)といった次世代抗体医薬の臨床開発も盛んに行われている。また,病巣への集積性にこだわらず,血中あるいは脾臓・リンパ節など広く免疫系をデリバリーの対象にしたimmune targetingによるDDSの研究開発も注目されている。ADCからリリースされた薬物による免疫原性細胞死(ICD)やBsAbにおけるT cell engagerも免疫反応の促進によりdurable responseに導くことができる。いずれも副作用を減らして有効性を高める免疫反応の時空間制御が大きな課題とされており,今後のDDSテクノロジーの発展・応用が期待されている。
「KEY WORDS」DDS,抗体医薬,ADC,BsAb,immunoregulation
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。