Theme 新しい抗体薬;ADC
造血器腫瘍におけるADC開発および治療応用
がん分子標的治療 Vol.17 No.2, 31-34, 2019
抗体−薬物複合体(ADC)は,標的細胞で発現する表面抗原を特異的に認識し結合するモノクローナル抗体とペイロード(薬物)をリンカーにより結合させた基本構造を有する新規の分子標的薬である。ADCの開発,およびADCによる治療法は急速に進展している分野の1つである。実際,最初にADCを用いた治療が臨床応用されたものは,急性骨髄性白血病におけるCD33抗原を標的とするゲムツズマブオゾガマイシンであり,造血器腫瘍領域はADCを用いた治療法開発を先導する重要な分野である。本稿では,ADC開発の歴史とともに造血器腫瘍におけるADCを用いた治療に焦点を当てて,近年の知見を含めて紹介する。
「KEY WORDS」抗体−薬物複合体,モノクローナル抗体,造血器腫瘍,分子標的,新規治療戦略
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