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Theme 新しい抗体薬;ADC

消化器がんに対するADC

佐藤千尋三谷誠一郎川上尚人

がん分子標的治療 Vol.17 No.2, 25-30, 2019

消化器がんにおいても分子標的薬の開発が進められてきたが,その多くは不成功に終わっている。それぞれの遺伝子異常に応じて治療を行う,いわゆるprecision medicineの実現は,期待とは裏腹に課題が多いのが現状である。抗体−薬物複合体(antibody-drug conjugate;ADC)はこれまでの消化器がんの治療選択肢になかった全く新しい種類の治療薬であり,従来の治療効果や薬剤耐性を上回る有効性が期待されている。本稿では,消化器がんに対するADC戦略について,特に近年臨床的有用性が示されつつあるヒト上皮成長因子受容体(HER)2を標的としたADCを中心に解説する。
「KEY WORDS」ADC,消化器がん,HER2,T-DM1,DS-8201a

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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