最近の新しい発見により,乳腺病理診断分野においてgenotype-phenotype correlation(遺伝子型-表現型相関)がトピックの1つとなっている1)。病理診断学におけるgenotype-phenotype correlationとは,特定の遺伝子異常が特徴的な組織形態すなわち組織型と相関することを指す。軟部腫瘍や造血器腫瘍ではgenotype-phenotype correlationを示す腫瘍が多く,これらの腫瘍では遺伝子異常の検出で組織型が確定し,治療方針が決定される。一方,固形がんではgenotype-phenotype correlationを示す腫瘍は比較的稀である。乳がんにおいては,分泌がん,腺様囊胞がんおよび浸潤性小葉がんの3つがgenotype-phenotype correlationを示すことがこれまでに知られていたが,最近4つ目の組織型として“高細胞型甲状腺乳頭がん類似乳がん”が同定された。本稿では,これら4つの組織型の遺伝子異常,組織形態,予後および治療候補となる分子標的薬について解説する。
News and Topics
乳がんにおけるgenotype-phenotype correlation
掲載誌
がん分子標的・免疫治療(旧:がん分子標的治療)
Vol.17 No.1 101-104,
2019
著者名
大迫智
記事体裁
抄録
疾患領域
癌
/
病理
診療科目
産婦人科
/
腫瘍内科
媒体
がん分子標的・免疫治療(旧:がん分子標的治療)
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。