Tumor mutation burden(TMB)は,PD-1阻害薬,CTLA-4阻害薬など免疫チェックポイント阻害薬の抗腫瘍効果を予測するバイオマーカーとしての性能が報告されている。しかし,この言葉は十分に定義されたものではない。どのような変異をどのような手法で計測し,正常バックグラウンドとして何を用いているのか,アミノ酸置換を伴うものだけを計測したのかなど,測定技術の問題だけでも多々あり,標準化された測定値とはいえない。そもそも,TMBは何を測定しようとしているものなのか。TMBががん抗原量を推定しようとする試みであることを忘れてはならない。がん抗原量の推定は,対応するエフェクターT細胞数の推定となり,抗腫瘍T細胞免疫の強さを推定しようとする目論見につながっている。
「KEY WORDS」tumor mutation burden,がん抗原,主要組織適合抗原