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Theme Somatic/germline変異とがん医療

乳がんのgermline変異と予防切除

山下祐司吉田敦山内英子

がん分子標的治療 Vol.17 No.1, 41-45, 2019

近年,次世代シーケンサー技術の出現によってmulti-gene panel検査が可能になり,BRCAのような高浸透率を示す遺伝子変異が明らかになった。その結果,乳がんの発症を予防することや,2次がんを予防するためのリスク低減乳房切除術(RRM)についても多く検討されている。当院では,2011年に「遺伝性乳癌卵巣癌症候群患者―BRCA遺伝子陽性患者に対するリスク低減手術」が倫理委員会で承認されて以降,年々RRM数は増加しつつある。しかし,multi-gene panel検査が普及するにつれて,浸透率が不明な遺伝子変異や解釈が不明な遺伝子変異(VUS)も多く検出されるようになることが予想される。それらに対する医学的管理や,エビデンスに基づいたガイドラインを作るための研究が必要である。
「KEY WORDS」multi-gene panel,germline変異,予防的(リスク低減)乳房切除

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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