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Theme Somatic/germline変異とがん医療

BRCA変異と卵巣がん・乳がん治療

原文堅坂井美佳

がん分子標的治療 Vol.17 No.1, 35-40, 2019

BRCA1/2はDNA二本鎖切断(DSB)の相同組み換え(HR)修復に重要な役割を果たしており,これらの生殖細胞系列の病的変異(gBRCAm)はがんの易罹患性を示し,遺伝性乳がん・卵巣がん症候群(HBOC)として知られている。HBOCはこのような遺伝的背景をもつため,臨床遺伝専門医や遺伝カウンセラーによるスクリーニング,マネジメント,発症予防が重要となるが,一方でgBRCAmをもつ腫瘍に対するプラチナ製剤やPARP阻害薬などの薬物療法の開発も急速に進んでいる。乳がんでは,ヒト上皮成長因子受容体(HER)2陰性gBRCAm陽性進行・再発乳がんに対してオラパリブ,talazopalib(本邦未承認)が既存の化学療法薬との比較試験で臨床的有用性を示し,標準治療の1つとなっている。また卵巣がんでは,“gBRCAmを問わず”プラチナ製剤感受性再発卵巣がんの維持療法としてオラパリブ,niraparib(本邦未承認),rucaparib(本邦未承認)の有効性が示されている。そのほか,化学療法2~3レジメン既治療のサルベージラインや,最近では初回治療の維持療法としても有効性が示されている。本稿では,特にgBRCAmに基づく乳がん,卵巣がんに対する薬物療法,特にPARP阻害薬に焦点を当てレビューする。
「KEY WORDS」乳がん,卵巣がん,BRCA,PARP阻害薬,合成致死

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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