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News and Topics

がんゲノム医療中核拠点病院の取り組み

角南久仁子

がん分子標的治療 Vol.16 No.4, 110-111, 2019

「ゲノム医療」の日常診療への実装化へ向けた動きが活発化している。「ゲノム医療」は,これまで主に研究目的で行われていたゲノム解析を「検査」として行い,患者1人ひとりのゲノム情報に基づいた治療選択などを行う医療である。ゲノム研究の進歩により,がんの発生や進展に関連する遺伝子異常が数多く同定され,「ゲノム医療」は特にがんの領域で注目されている。
2018年4月には厚生労働省により,全国11のがんゲノム医療中核拠点病院および100の連携病院が指定され,10月1日には35の連携病院が追加され,両者の連携に基づいたゲノム医療提供体制が整備されつつある。
国立がん研究センター中央病院(以下,当院)もがんゲノム医療中核拠点病院に指定され,国内初のゲノム医療としての先進医療である「個別化医療に向けたマルチプレックス遺伝子パネル検査研究」をほかのがんゲノム医療中核拠点病院および連携病院との多施設共同研究として実施している。
本稿では,ゲノム医療における中核拠点病院の役割と,当院で実施している「個別化医療に向けたマルチプレックス遺伝子パネル検査研究」について紹介する。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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